ゲーム業界の転職は、”中の人“にきいてみよう

東京ゲームショウを、転職の目線で見る — 2026年のビジネスデイに何があるか

執筆:ゲーム業界転職ラボ 編集部

東京ゲームショウ2026のキービジュアル

東京ゲームショウは、遊びに行く場所です。新作を触って、行列に並んで、グッズを買う。それでいいと思います。

ただ、最初の2日間は別物です。ビジネスデイと呼ばれる商談のための2日間があって、ここは一般公開日とは客層も展示の中身も違います。そして、この2日間に並んでいるものは、ゲーム業界の非開発職の仕事内容の一覧にかなり近い。

この記事は、TGSを転職の材料として見るとどう見えるか、という話です。

2026年の開催概要

会期2026年9月17日(木)〜21日(月・祝)の5日間
ビジネスデイ9月17日(木)・18日(金) 10:00〜17:00
一般公開日9月19日(土)・20日(日) 9:30〜17:00/21日(月・祝) 9:30〜16:00
会場幕張メッセ(展示ホール1〜11、国際会議場)ほか
テーマ「史上最長、遊びづくしの5DAYS」
想定来場者数30万人

5日間開催はTGS史上初です。今年はTGS30周年、主催のCESAも同じく30周年にあたります。一般公開日を1日増やす形で、ビジネスデイは2日のまま据え置かれました。

ビジネスデイの展示区分が、そのまま「非開発の仕事」の一覧になっている

TGSには「ビジネスソリューションコーナー」というBtoB向けの区画があります(ホール9〜11)。公式の説明では、この区画の対象はこう書かれています。

開発ツール、開発受託、ローカライズ、マーケティング支援、決済サービス、セキュリティ

つまりこれは、ゲーム会社が自社の外に出している業務の一覧です。裏返すと、ゲーム会社の中でその業務を担当している職種の一覧でもあります。

ローカライズ、マーケティング支援、決済、セキュリティ。どれも「ゲームを作る」仕事ではありません。でも、ゲームを出して続けるには必ず必要な仕事です。この区画に出展している企業群が、運営職・マーケ職・ローカライズ職の受け皿になっています。

同じ区画には「AIテクノロジーパビリオン」もあります。2025年はAsset Hub、アドビ、NC AI、HEROZ、Preferred Networksなど20社以上が出展しました。

今年の講演テーマが「異業種からの参入」

主催者講演のひとつが、こういうタイトルです。

異業種からの挑戦——サンリオ、パルコ、東映がゲームパブリッシングで目指すもの(9月17日 10:30〜12:00)

サンリオ、パルコ、東映。ゲーム会社ではない3社が、ゲームのパブリッシングに乗り出している。それが今年のビジネス側の主題のひとつとして選ばれています。

これが転職に関係するのは、こういう会社のゲーム事業部門は、非開発職の求人が出やすい構成になりやすいからです。IPを持っている会社が後発でゲーム事業を始めるとき、開発は外部のスタジオに任せて、自社ではマーケティング、PR、ライセンス管理、事業開発を持つ、という形をとることが多い。

ただし、この3社が実際に非開発職を募集しているかどうかは確認していません。 講演のテーマからの推測です。気になるなら、各社の採用ページを直接見てください。

もうひとつ、基調講演はCESA会長・辻本春弘氏による「東京ゲームショウ30年の軌跡と、2056年に向けた提言」(9月17日 11:00〜12:00)。業界の先行きについて何が語られるかは、開催後でないと分かりません。

PRの仕事が「メディア対応」から広がっている

今年、Twitchが「クリエイターラウンジ」の冠スポンサーになりました。Twitch CEOのダン・クランシー氏がRiot Games SVPと登壇し(9月17日)、9月20日にはMeet & Greetも予定されています。機材提供はRazer。

TGSには公式インフルエンサー「TGS BOOSTERZ」がいて、公式番組「TGS NEWS STUDIO」もあります。

これは、インフルエンサーとの関係づくりがイベント運営の主要な機能として制度化されたということです。かつてPR・広報の仕事といえば記者やメディアへの対応が中心でしたが、いまはクリエイターリレーションが同じくらいの比重を持っています。

このサイトの記事03(マーケティング職)で「宣伝担当」の仕事を扱いましたが、その守備範囲が広がっている傍証として見ておくといいと思います。

ビジネスデイに行くには、いくらかかるか

ビジネスデイのパスは、安くはありません。

パス価格
スタンダード¥16,500
ゴールド(ビジネスラウンジ+マッチングシステム)¥44,000
ブラック(新設・専用ラウンジ+専用入場口)¥110,000

出展社から配布される登録コードを持っている場合は無料です。また、購入時にゲーム業界関係者かどうかの審査があります。

業界内で転職を考えている人にとっては、求人票を眺めるより情報密度が高い場ではあります。どの会社がどれだけの規模で出しているか、誰が何を話しているか、名刺交換で何が聞けるか。ただ、¥16,500を出す価値があるかは人によります。まず一般公開日に行って、出展社の顔ぶれを見るだけでも十分な情報が取れます。

一般公開日でも分かること

ビジネスデイに行かなくても、出展社リストを眺めるだけで見えることがあります。

どの会社が、どれくらいの規模で出しているか。 大きなブースを構えられるのは、それだけの予算とタイトルがある会社です。連載「決算ウォッチ」で見ている業績の話と、実際の出展規模はある程度連動します。

新しく出てきた会社はどこか。 初出展の会社、去年より大きくなった会社。勢いのある会社は採用も動いていることが多い。

自治体が出ていることもあります。 2026年は新潟市が「ゲーム産業の集積とクリエイターが活躍できる雇用の場の創出」を目的にビジネスデイに出展します。企業誘致の補助制度と、地元の専門学校の人材供給をPRする内容です。地方拠点のゲーム会社は、運営・CS・QAといった職種を地方で採用しているケースがあります。東京以外の選択肢を考えている人には、こういうブースのほうが実りがあるかもしれません。

出展社数・小間数の最終値

TGSの規模は業界の景況感の目安になるので、数字を見ておきます。最終的な出展社数・小間数は2026年9月10日に発表されました。

TGS2025(7/8時点)TGS2026(7/8時点)TGS2026(確定・9/10発表)
出展社数772社759社1,138社
うち国内473社484社540社
うち海外299社275社598社
出展小間数4,0833,9463,999
国と地域465153

7月時点だけを見ると、出展社が1.7%減、小間数が3.4%減。国内は微増で、海外が減っています。

2025年も同じパターンでした。7月時点で海外299社だったものが、最終的に615社まで積み増され、TGS2025の最終値は1,136社・4,157小間になっています。TGS2026も同様に、7月時点の海外275社が最終的に598社まで増えました。

最終的な出展社数は1,138社(国内540社/海外598社)で、過去最多です。国と地域は53で、これも過去最多です。一方、出展小間数は3,999で、前年の最終値4,157より減っています。出展社数が増えて小間数が減っているため、1社あたりの平均の出展規模は前年より小さくなった計算です。理由は確認できていません。

参考までに、来場者数は2025年に前年割れしています(274,739人→263,101人)。ただし一般公開日が2日から3日に増えるので、2026年との単純比較はできません。

なお、出展料が10年以上ぶりに改定(値上げ)されたことが出展社説明会で説明されています。5日間化と値上げが重なった中での小間数の推移なので、出展社側のコスト判断が働いている可能性はあります。これは推測です。

インディーと投資家をつなぐ枠がある

「SELECTED INDIE 80」という枠があります。選考を通過した80タイトルが無料で出展できる制度で、対象は年商5,000万円以下(法人)または1,000万円以下(個人)。

この枠の説明で明記されているのが、ビジネスマッチングシステムと商談スペース(Indie Meetup Area)を無償提供し、投資家・パブリッシャーとの接点を作るという点です。今年から「SI80 Excellence Awards」も新設され、10タイトル程度が表彰されます。プラチナスポンサーは任天堂と講談社。

小規模なスタジオで働くことを考えている人には、どの会社がここに出ているかを見ておく意味があります。ただし、この規模の会社は求人を常時出しているとは限りません。

まとめ

  • TGS2026は9月17日〜21日の5日間。史上初の5日間開催で、TGS30周年
  • ビジネスデイは9月17日・18日。パスは¥16,500から、業界関係者かの審査あり
  • ビジネスソリューションコーナーの対象業務(ローカライズ、マーケティング支援、決済、セキュリティ)が、そのままゲーム会社の非開発業務の一覧になっている
  • 今年の主催者講演のテーマが「サンリオ・パルコ・東映のゲームパブリッシング参入」。IPホルダーの後発参入は非開発職の求人が出やすい構成になりやすい(ただし各社の実際の募集は未確認)
  • Twitchがクリエイターラウンジの冠スポンサー。PR職の守備範囲が「メディア対応」からクリエイターリレーションへ広がっている
  • 出展社数は1,138社(過去最多)、53の国と地域から出展。小間数は3,999で、前年の最終値より減っている
  • ビジネスデイに行かなくても、出展社の顔ぶれと規模を見るだけで、どの会社が動いているかは分かる

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参考にした情報

※この記事は2026年9月13日時点の公表情報にもとづきます。出展社数・小間数は2026年9月10日発表の最終値に更新しています。

【2026年9月19日 追記】台風25号の接近を受け、主催者は最終日となる9月21日(月・祝)の開催中止を発表しました(9月19日16時24分)。9月20日(日)は予定どおり開催されます。史上初の5日間開催は、結果として4日間となります。21日入場分のチケットは、購入したプレイガイドごとに払い戻しが案内されます。ビジネスデイ(9月17日・18日)は予定どおり実施されました。本文の会期に関する記述、および一般公開日が3日に増えることを前提にした来場者数の記述は、この発表より前の時点のものです。

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